絨毛検査<11~14週>
染色体疾患に対する検査の1つである絨毛検査ついて説明していきます。
まず、確定検査の一つである絨毛検査は、超音波をしながら妊婦さんのお腹に針を刺して、胎盤から絨毛を採取し、その中の細胞を培養して染色体の数や形を顕微鏡で確認します。
妊娠11~14週で行われ、結果報告まで数週間かかります。
検査の感度はほぼ100%です。
絨毛検査では約1%に流産の可能性があります。
また、約1%に赤ちゃんと絨毛の染色体情報が一致しない「胎盤性モザイク」の場合があり、改めて羊水検査が必要なことがあります。
羊水検査<15~16週以降>
染色体疾患に対する検査であり、もう一つの確定検査である羊水検査は、超音波をしながら妊婦さんのお腹に針を刺して羊水を採取し、その中に含まれている赤ちゃん由来の細胞を培養して、染色体の数や形を顕微鏡で確認します。
妊娠15~16週以降で行われ、結果報告まで数週間かかります。
羊水検査では約300人に1人の割合、つまり0.3%の確率で流産する可能性があります。
羊水検査と絨毛検査の留意点
どの確定検査も流産や死産、稀に破水や出血などの合併症もあります。
その他、うまく検体が採取できなかったり、細胞培養がうまくいかなかったり、妊婦さん自身の細胞が混ざってしまうことで、赤ちゃんの染色体を適切に観察できないこともあります。
染色体上の小さな構造の変化は検出できないこともあります。
また染色体の変化の中には、病気とは関連しないものもあります。
染色体検査に問題がなかったとしても、先天性疾患の全てが否定される(検査ではみつけられない先天性疾患があること)わけではないことにも注意が必要です。
作成日:2022/10/01