2026年4月より、アブリスボは定期予防接種となり、取り扱う医療機関が広がっています。
その中で、「どの診療科で接種するのが望ましいのか?」というご質問を多くいただきます。
基本的な考え方:「かかりつけ産婦人科」での接種が望ましい
アブリスボは、妊婦さんご本人に接種するワクチンですが、その目的は「胎盤を通じて赤ちゃんに抗体を移行させ、生後のRSウイルス感染を防ぐこと」にあります。
つまり、母体だけでなく胎児の状態も踏まえて判断すべきワクチンです。
この特性を踏まえると、以下の理由から、かかりつけ産婦人科での接種が最も適していると考えられます。
- 妊娠週数を正確に把握し、適切な接種時期を判断できる
- 妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症を踏まえた判断が可能
- 胎児の発育や胎盤機能などを総合的に評価できる
- 妊婦健診と一体化した安全管理ができる
当院でも、妊娠経過を確認したうえで、個々の状況に応じて適切な時期にご案内しております。
小児科・内科での接種について
アブリスボは、小児科や内科でも接種自体は可能です。
ただし、以下の点に留意が必要です。
- 小児科は出生後の赤ちゃんの専門領域であり、妊娠経過の管理は専門外
- 内科はワクチン接種の経験は豊富ですが、妊娠特有の評価には限界がある
- 接種時期の最適化(妊娠週数・早産リスクなど)は産婦人科の評価が重要
- 接種後の妊娠経過との関連を含めたフォローは産婦人科が担うことが多い
そのため、他科で接種を行う場合でも、事前にかかりつけ産婦人科での確認を受けることが望ましいと考えられます。
かかりつけ産婦人科で接種を行っていない場合
かかりつけ施設で接種を実施していない場合には、他院での接種も選択肢となります。
その際は、以下の流れをおすすめします。
① かかりつけ産婦人科への事前相談
- 妊娠週数・体調の最終確認
- 接種時期の適否についての見解
- 合併症や注意点の共有
② 他院での接種
以下を持参するとスムーズです。
- 母子健康手帳
- 健診結果(可能であれば)
- 紹介状(必要に応じて)
③ 接種後の情報共有
接種後は、かかりつけ産婦人科へ接種済であることを必ずお伝えください。
今後の妊娠管理において重要な情報となります。
当院でのアブリスボ接種について
豊洲レディースクリニックでも、アブリスボの接種を行っております。
RSウイルスは、生後間もない赤ちゃんにとって重症化する可能性がある感染症であり、現時点では特異的治療に限界があります。
そのため、出生前からの予防戦略としてワクチン接種は重要な選択肢の一つです。
一方で、アブリスボは母子免疫を利用したワクチンであり、母体と胎児双方の状態を踏まえた判断が求められます。
当院では、妊娠経過・体調・胎児の状態を総合的に評価したうえで、安全性に配慮した接種をご提案しております。
ご希望の方は、妊婦健診時またはスタッフまでお気軽にご相談ください。
文責:豊洲レディースクリニック院長 土肥 聡
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作成日:2026/04/13








